【ブルー水素】日本の石炭火力発電技術から環境と経済に革命が起きる

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【ブルー水素】日本の石炭火力発電技術から環境と経済に革命が起きる

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世界的な脱炭素によって再生可能エネルギーの電力に注意が向けられていますが、実のところ世界の電力の7割が石炭火力発電によって供給されているのです。それゆえにCO²が減少しないともいえるでしょう。また石炭廃止を提唱し推し進めている欧州諸国は石炭を使用し電力を供給しているのです。そして、脱炭素を唱えている欧州をはじめ世界各国で石炭廃止についての動きが急速に進められていますが、日本の石炭による火力発電は世界各国と比較するとクリーンエネルギーと言われています。その理由は、CO²の排出量が非常に少なくできているためです。それに対して欧州諸国は批判的な反応を示していたものの、欧州諸国自体が進めてきた再生可能エネルギーの普及に対して限界となっており、原子力発電にシフトしているようです。こうしたエネルギー事情について、今回の「TimeMachineMuseum」では、未来においてエネルギーはどのようになっていくのか注目します。


「日本が最先端技術で注目するブルー水素」

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実は、化石燃料からは「ブルー水素」というものが採取され注目されている。しかも、その採取には日本の最先端技術が用いられているのです。石炭というと一般的にはイメージが悪く技術の遅れを感じる方も多いようです。実際に日本は、過去において温暖化対策に消極的な国として贈られる「化石賞」を受賞してしまった苦い過去があります。歴史を振り返ると石炭を用いたエネルギーのイメージには、蒸気機関車や工場から排出される排煙が出ている発電所のイメージかもしれません。しかし、技術が発達した現在では、日本はクリーンコール対策が進んでおり、石炭火力発電の技術において世界のトップクラスとされているのです。このクリーンコールということを考えるために石炭火力発電のシステムを考えてみましょう。石炭火力発電のシステムというのは、簡潔にいうと石炭を燃料都市ボイラーで水を沸かし、発生した蒸気を用いて蒸気タービンを回転させ発電するシステムです。そして、この発電の時に発生するCO²が天然ガスに比べて2倍の量となるのです。このCO²が多いということが問題視されているのです。しかし、環境負荷を減少させるだけでなく石炭を利用する技術全般のことを指しているクリーンコール技術を用いるならば改善することができるのです。このクリーンコール技術は、燃焼効率を向上させるために石炭を粉状にした超微粉炭を使用しているのです。「低品位炭」と言われている石炭を使用しているために以前と比べてコスト削減にも寄与しているのです。さらに製造過程で生じた「スラグ」というガラス状の排出物すらも建築資材などにも有効活用できるのです。実に以前より発電効率も向上し燃料や排出するCO²を15%も削減しているのです。加えて、NOxやSOxも大幅に削減しており天然ガス火力発電と同等レベルまでにクリーンとなっているのです。しかも、日本では石炭をガス化する「石炭ガス化複合発電」という技術開発も進められています。さらに、ガスタービン、蒸気タービン、燃料電池なども組み合わせたトリプル複合発電という「石炭ガス化燃料電池複合発電」の開発にも注目し着手しているということです。また他にも排出されたCO²を分離して回収して資源として有効活用する「CO²回収・有効利用・貯蔵技術」の開発も進んでいるということです。こうした点を考慮してみると石炭廃止というよりは、排気ガスの減少や有効活用することによって技術を発展させエネルギーの供給として用いることができるということです。しかし、途上国においては金銭的な理由から旧式の発電効率の悪い発電所を建設していることが大きな問題となっています。


「欧州諸国のエネルギー事情」

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「新型コロナウィルス」の流行によって2021年というのは世界的なパンデミックからの経済回復による電気需要が急増。また天然ガスの価格が高騰しました。そのために石炭火力発電は過去最高の稼働を記録。EUでは20%も増加しています。この影響には再生可能エネルギーの不振が関係して石炭火力発電が増加したのです。2021年というのは電力主力のバルト海の洋上風力発電が天候に恵まれずに不調。風力発電というのは沿岸部のような風が強いところが建設に適しており、太陽光発電も南欧の日差しに恵まれた場所が好条件。しかも、風力発電や水力発電も生態系に大きな影響を与えてしまうシステム。太陽光発電も反射光の問題であったり使用済みの太陽光パネルの処分など、解決する必要のある項目が山積しているのです。欧州諸国の中でポーランドやチェコなどにおいては、安価な石炭に頼った発電が主流。ポーランドにおいては電源の70%を石炭火力発電に依存しているのです。これには、ヨーロッパには世界有数の炭田が多くあるということも関係しています。また鉱物資源も多くある地域でもあります。ですから自国に石炭が埋蔵されているならば利用するのは合理的な選択肢といえるのです。そのような中、石炭の代替として原子力発電所を建設する計画が動きを見せています。


「欧州諸国の原子力発電所建設の増加」

脱炭素を掲げる欧州諸国は、石炭に代わる発電技術として原子力発電所を新設し増設することに流れているようです。理由としては下記の点を挙げることができます。

1:CO²削減のため。

2:ロシアとの関係。

とりわけロシアとの関係については中東欧諸国というのは、旧ソビエト連邦の支配下にありました。そこで、計画経済に基づく重化学工業路線を模索し石炭は電力源として重要視されていました。その後、ソビエト連邦が崩壊した後市場経済を導入していきます。そして、EU加盟に向けて構造改革が進められていきましたが資金不足から発電所を建設することを断念。そのために石炭火力発電所を建設。またロシアから輸入している天然ガスの依存を減少させたいというのが狙いのようです。原子力発電所を進めることは、天然ガスと違って原料にウランを使用しますが、ウランはコンパクトで簡単に空輸していくことが可能です。また、このことについては欧米と中露の対立も関係しているようです。欧州諸国は戦略的に重要な地域が含まれている場所。そのために中国はインフラ整備など資金面や技術面で協力しています。このことに対して強い危機感を抱いたのがアメリカや欧州諸国。そして、アメリカをはじめとする原子力企業が拡大を図っていることもあります。こうした理由から現在では欧州諸国が脱炭素を理由に再生可能エネルギーではなく原子力発電への建設が増加しているということです。


「注目されている水素エネルギー」

様々なエネルギーが注目されている現在において新たに加わったのが水素エネルギーです。水素エネルギーは燃焼してもCO²を発生させません。しかもエネルギー効率も良いためにロケットの燃料にも使用されています。それゆえに製造方法が注目を浴びています。この水素エネルギーが注目されている理由の一つに石炭火力発電で使用されているような化石燃料(石炭・天然ガス)から採取可能ということです。この水素には製造方法の違いによって4つの種類に分けることができます。

1:グリーン水素(水を電気分化する際の電力が太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーで得たもの)

2:ブルー水素(化石燃料を水蒸気と反応させて水素とCO²に分離し水素を抽出させCO²を回収)

3:グレー水素(化石燃料を用いてCO²を排出、回収はしない)

4:イエロー水素(電力源が原子力発電によって生成されるもの)

上記の水素で最も注目されているのが「ブルー水素」と呼ばれているのものです。アジアの新興国や中東欧諸国が排出したガスを資源として回収し、水素を生成しようとしているのです。そして、この排出ガスを輸送するために液化する方法として「有機ケミカルハイドライド法」と呼ばれている日本の最先端技術が使用されているのです。例としてオーストラリアでは天然ガスの生産量が世界一位にもかかわらず、海外が高く買い取るために国内では電力不足、しかも電気料金は世界最高クラスという状態でした。また褐炭という水分の多い石炭も豊富に採掘できますが輸出することができずにいました。そこで、日本の企業によって石炭をガス化し、その後、液化して日本に運ぶという計画が進んでいるのです。また伊藤忠商事がブルー水素を製造し水素ステーション事業をフランスの企業と共同で展開していくという発表もしています。これは、製造時に発生したCO²を回収し、飲料品向けの発泡剤やドライアイスなど工業用途で外部に販売する見込みということです。そして、水素は燃料電池自動車の燃料に活用するようです。


まとめ

現在、世界の9億人から10億人の人々が電力不足どころか電気にアクセスできない状況。SDGsの2030年までに「持続可能な近代的なエネルギー」にすべての人がアクセスできるようにするためには、安定的に供給できる石炭は必要不可欠なのです。石炭廃止が進められている中、日本が取り組んでいる石炭をガス化する「石炭ガス化複合発電」という技術開発。さらに、ガスタービン、蒸気タービン、燃料電池なども組み合わせたトリプル複合発電という「石炭ガス化燃料電池複合発電」の開発。また他にも排出されたCO²を分離して回収して資源として有効活用する「CO²回収・有効利用・貯蔵技術」の開発が今後、どのように進展していくのか注目したいところです。

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管理人:TMM

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。