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【龐煖/ほうけん】キングダムと史実の実在ではキャラクターが違う
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壮大な歴史スペクタクル映画、「キングダム」。振り返ると2019年にシリーズ一作目が公開されましたが、公開されると興行収入は公開された実写邦画作品の中で1位を獲得しました。それから3年後、「キングダム2 遥かなる大地へ」が公開され前作を超える圧倒的な映像体験で数多くの驚きをもたらして再び大ヒットを記録しました。興行収入はやはりその年の邦画実写作品の中で1位を記録して、なんとシリーズ累計では100億円をすぐに突破しました。
そして前作に続いて、今年2023年の夏に新作の「キングダム3 運命の炎」が劇場公開されます。そこで、注目されている一つが、趙国三大天のひとりである「龐煖(ほうけん)」です。趙国最強の武将であり圧倒的存在感を放つ「龐煖」のキャラクターは、どのように誕生したのでしょうか。そして、歴史の史実と照らし合わせる「龐煖」とは一体どのような人物だったのか。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、キングダムの武神キャラの「龐煖」について注目です。
「龐煖(ほうけん)のプロフィール」
- 武力:100
- 指揮力:0?
- 知力:?
- 武神度:100?
- *地位や名誉は一切関係なし!興味あるのは、強いヤツと対決すること!
「キングダムの武神最強キャラ龐煖に込められた思いと誕生秘話」
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キングダムにおける敵国の最強最悪なキャラクターの一人として挙げられるのが趙国の三大天武将、「龐煖(ほうけん)」でしょう。誰しも恐れ近づくことさえできないほどの圧倒的な存在感。獲物を捕らえるかの如く、敵の強者を求めて独り修行に励み、突然と現われる孤独な一匹狼のような武将。では、どのように「龐煖」のキャラクターは誕生したのでしょうか。過去のインタビューの中から作者の「龐煖」に対する思いやキャラクター設定について垣間見ることができます。
まず、「龐煖」のキャラクターの設定ついてですが、「龐煖は史実の人物ですが、もちろん「我、武神也」は創作です。」とオリジナリティをもって設定されているようです。そして、「龐煖は、「李牧(りぼく)」の隠し球のような描き方をしてきたので、いつも秦軍が良い雰囲気のところに現れて、それを台無しにすると言う立ち回りです。あまり読者からの支持を得られないのですが、実は、いろんな思いを詰め込んだキャラクターの1人なんです。」とコメントされていることから多くの読者が思うような反発心よりも作者の思いが詰め込まれたキャラクターのようです。
また武将として強さについては、「24巻で出てきたように、まず龐煖は、燕を代表する大将軍である「劇辛(げきしん)」を倒したいと言う記述が史記にあるんです。そのために趙国の中でも、突出したつよい武将として考えていました。ただ、趙国には他にも李牧や「廉頗(れんぱ)」を始め名のある武将が揃っているので、少し強さのベクトルを変えて描こうかなと考えていました。それで、当時の担当さんと話して、一度手の届かない所へキャラを遠くに投げてみようということで挑戦したのが、龐煖だったんです。」とコメントされていますので、武力が単に強いだけのキャラクターではなく別の強さを持った武将として設定を考えられたようです。
ヒントになったのは「羌瘣」のキャラクターだったようです。次のようにコメントされています。「最初に登場した時は、殺戮を繰り返すだけの奇天烈なキャラで、正直どう動かしていけば良いのか、手に余るところもありました。そのような中、ヒントを与えてくれたのは、「羌瘣」でした。14巻で「羌瘣」が信に対して、龐煖を「求道者」と評しています。神仙信仰の本に出てきた言葉だったのかどうか忘れましたが、ネーム中にパッと「求道者」と言う単語が浮かんだ時に道筋が見えてきました。あーきっと龐煖も彼なりに目指す場所があって動いていると言う事なんだなと」こうして「羌瘣」をヒントに単なる武将ではなく別の力を持った武将として武神としての設定へと物事を進められたようです。
この「武神」としての「龐煖」が誕生するにあたっては、「2度目の登場は、ちょうど合従軍編の30巻で、李牧が蕞へと向かう南道でヒョウコウ将軍の軍とあいまみえた画面ですが、龐煖の登場。シーンを見開きで、とにかく恐ろしく描いたんです。その時、バーっと黒い粒を飛ばしながら、圧倒的な存在感のある強い絵をかけた感覚があって、「あーこれは、ヒョウコウは死んだ」と言う位のオーラを龐煖が発していました。そこでなぜか、「龐煖」を好きになりました。「武の化身」と言う存在を初めて絵に落とし込んだ気がしました。あの戦いでは、初対面のヒョウコウ将軍が「龐煖」の本質をつかんだ発言をします。あの時は描いていてヒョウコウもすごいなと思いました。」と秦国の将軍であるヒョウコウ将軍との戦いで設定されたようです。
また、作者の当初に描こうとしていた漫画も「龐煖」のキャラクター設定に関係しているようです。こうコメントされています。「龐煖が生きた当時、中華では神仙信仰が東側から流行っています。仙人研究をする「方士」と言う者たちがいました。「方士」には、市民権があったようで、後の始皇帝が不老不死の薬を探しを命じたっていう「徐福」も「方士」のひとりでした。「方士」は、己が人智を超えた存在「仙人」になろうとする修行や研究に励む人たちですが、それをもっと広く捉えて人全体のために行動していたのが、「龐煖」だったのかなと思っています。実は、脱サラして、漫画家を目指した当初、僕は仙人の漫画を書こうと思っていたんです。それでこの神仙思想の時代を調べるために「史記」に巡り合ったという経緯があるんですが、「龐煖」は、僕が描こうとしていた仙人漫画のテーマを包括したキャラクターだったのかもしれません」と「龐煖」のキャラクター設定の誕生について述べておられます。
「キングダムのキャラクターとは全く違う史実の龐煖とは」
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実は中国の歴史書に登場する武将として「龐煖」は、キングダムで描かれる武の化身キャラクターとは全く異なるキャラクターなのです。「司馬遷」の「史記」や「班固」の「漢書」、「韓非」の「韓非子」によると、「龐煖」は道家思想の勉学に励み、兵法についても知識を深め、兵法家として著作を執筆したりしています。それゆえに「知の化身」として描かれているのです。「龐煖」は若い頃に楚の人里離れた山奥で、道家の隠者に学問を学んだということです。この道家というのは、老子や荘子を代表とする諸子百家の一つです。宇宙の根源的存在としての「道」に測った「無為自然」の清浄な行いを重視する思想のことです。この道家を学ぶことで、「龐煖」は若い時代から世捨て人となり、ある種の哲学を究めようとしていたということです。しかし、「龐煖」は哲学を学ぶだけではなく、軍事に対しても強い関心を持っていました。また趙国の出身である「劇辛(げきしん)」が、燕の「昭王」に仕える以前に親交を持っていたこともありました。「劇辛」は、「龐煖」の人柄について「与し易きのみ(とても親しみやすい)」と評しています。このことからもキングダムで描かれている「龐煖」とは全く違っています。
縦横家として著作を執筆することもしている「龐煖」は、弁舌にも長けているため、やがて趙国の「武霊王」に呼び出されています。「武霊王」は、「龐煖」に対して「戦わずして勝つ者こそ最善である」という「孫子」の兵法について意見を訊きました。これに対して「龐煖」は、兵家と道家の両方の知識を用いた解説を行なったということです。「武霊王」は、軍政改革を行ない、周囲の反対を押し切って、「匈奴(きょうど)」から学んだ胡服騎射を採用した名君です。
「龐煖」は、求道者でしたから波長が合ったと思われます。結果として「龐煖」は、趙国に仕える身となりました。しかしながら、「武霊王」に続く「恵文王」と「孝成王」の治世下では、50年以上にわたって、あまり国事に参与しなかったようです。
「龐煖」のターニングポイントとなるのは、「悼襄王」の時代です。紀元前245年、王の失策によって歴戦の将軍である「廉頗」と「楽乗」が出奔したのです。それで、「龐煖」に白羽の矢が立ち、将軍として抜擢されることになったのです。「龐煖」は、臣下に対して道家の「無為自然」の思想を説きました。王に対しては、「本当に有能な家臣は、名声が表に出にくいものであるが、それをこそ大事にすべき…危機に陥ってからの対処では遅い」と警告したということです。しかしながら、縦横家である「龐煖」の将軍としての発言に対して、耳を貸すものは少なかったようです。当初、「龐煖」は侮られていたそうです。
そこで「龐煖」は、燕の将軍である「劇辛」を倒して名声を一気に上げます。戦国時代の最後の合従軍の指揮官を務めるまで地位を上げます。戦国第一の名将と謳われていた「王翦(おうせん)」も「龐煖」との直接対決は避けたということです。こうしたことから「龐煖」は、軍師として知力だけでなく、実戦にも強い武力も兼ね備えた武将だったと考えられます。
これ以降も「龐煖」は、秦国との大激戦を継続していきます。その後、紀元前236年に燕国と秦国と相次いで戦ったのを最後に「龐煖」の活動の記録はなくなっています。
こうした歴史書の文献、史実とキングダムの「龐煖」を比較するとキャラクターに大きな違いがあることがわかります。
「キングダムの龐煖」→武の化身
「史実の龐煖」→知力武力兼ね備えた名将
しかしながら、「龐煖」という圧倒的な存在感という点では、「キングダムの龐煖」と「史実の龐煖」はともに一致したポイントです。
「最新作のキングダム3 運命の炎の押さえておきたい見どころのポイント」
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映画キングダムの注目のポイントは下記のような感じかと思います。
シリーズ3作目となる最新作が2023年7月28日金曜日に公開されるとのことです。
そして新作のタイトルは、「キングダム3 運命の炎」というものです。
実のところ、この規模の超大作としては、異例となる2年連続での公開となると言うことです。前作で映画館に駆けつけたファンの盛り上がりは継続中です。その中、再び暑い夏に公開されると言うのです。
そして、注目は今回の最新作で描かれるのは「馬陽の戦い」と「紫夏編」ということです。
キャラクター人気ランキングの中でも、最も人気のある「王騎将軍(オウキショウグン)」の戦闘と「嬴政(エイセイ)」の命の恩人について描かれているため、大迫力のシーンと悲しみの涙と人間の心の強さなど楽しみな内容となっていると思います。
そして映画はキングダムの柱、魂とも言える「なぜ、中華統一を目指すのか」というテーマに挑戦し続けています。
「新作映画に向けてキングダムのあらすじストーリーを振り返る」
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まだ1度も統一されたことがない、7つの大国が戦いに明け暮れていた春秋戦国時代と言われた時代が舞台です。
主役の信(シン)は、「山﨑賢人」さんが演じておられます。
この信は、戦争孤児として育っていますが、ともに夢を追いかけなくなった親友と同じ姿をした、秦の国王に出会います。
この国王は嬴政(エイセイ)で、「吉沢亮」さんが演じておられます。
信は国王である嬴政と出会い、信の人生はターニングポイントを迎えます。運命に導かれるように、中華統一への道を駆け抜けることになっていくのです。
そうした中にあって、「橋本環奈」さんが演じておられる、河了貂(カリョウテン)や「長澤まさみ」さんが演じておられる、楊端和(ヨウタンワ)の力を借りて、亡くなった親友と約束した「天下の大将軍になる」という約束を叶えるために、長く険しい道を歩んでいくことになったのです。
そして、信にとって初陣となる蛇甘平原の戦いで、羌瘣(キョウカイ)に出会います。
この羌瘣(キョウカイ)役は、「清野菜名」さんが演じておられます。
そして、この初陣となる戦いで信は、武功を挙げることになります。そして100人を率いる将へと昇格して、夢への道を進み始めることになったのです。しかし、そのような中、突如として趙(ちょう)が大群を率いて侵攻してきたと言う報告がありました。これに対して秦の軍というのは、寄せ集めの兵で構成されていました。この状況で趙の大軍を馬陽(ばよう)で迎え撃つことになるのです。圧倒的に不利と思われる中、秦の国王である嬴政は、大きく戦局を動かそうとします。
それは、かつて中華全土に名を轟かせた、「王騎」将軍を総大将に任命するのです。
今回、この「王騎(オウキ)」将軍を演じるのは、前回に続き、「大沢たかお」さんです。
しかし、不思議なのは「王騎」将軍は戦場離れていたのに戻ってきたということです。それで、なぜ「王騎」将軍は、戦場に戻ってきたのか?そして、因縁の地である馬陽で彼らを待ち受ける運命とは、どのようなものなのかということが描かれます。こうして、新たな信と仲間たちの夢を賭けた戦いが始まります。2023年7月28日(金)の映画公開を楽しみにしたいと思います。
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