【麃公/ひょうこう】キングダム原作者が語る感動の最期の設定秘話

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【麃公/ひょうこう】キングダム原作者が語る感動の最期の設定秘話

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新作が期待されている映画、「キングダム」。振り返ると2019年にシリーズ一作目が公開されましたが、公開されると興行収入は公開された実写邦画作品の中で1位を獲得しました。それから3年後、「キングダム2 遥かなる大地へ」が公開され前作を超える圧倒的な映像体験で数多くの驚きをもたらして再び大ヒットを記録しました。興行収入はやはりその年の邦画実写作品の中で1位を記録して、なんとシリーズ累計では100億円をすぐに突破しました。

そして前作に続いて、今年2023年の夏に新作の「キングダム3 運命の炎」が劇場公開されます。注目は秦国の大将軍であり、主人公「信(しん)」の永遠の憧れの存在である「王騎(おうき)」大将軍の戦闘シーンでしょう。馬陽の戦いでは、趙国の三大天の「李牧(りぼく)」や「龐煖(ほうけん)」との戦いに注目が集まっています。実は、「王騎」に並ぶ将軍としてキングダムに登場するのが「麃公(ひょうこう)」将軍です。キングダムの中でも一際人気の高いキャラクターとして有名です。では、この「麃公」将軍とはどのような人物なのか。また史実に基づいて描かれているとすれば、どのような経緯で誕生したキャラクターなのでしょうか。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、キングダムの「麃公(ひょうこう)」将軍のキャラクターについて注目したいと思います。


「麃公のプロフィール」

  • 武力:95
  • 知力:70
  • 指揮力:95
  • 経験値:S

「麃公将軍は信に本能型の大将軍としての生き様を教えた」

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本能型の頂点となる秦国の大将軍が「麃公」です。地位より戦場での名誉を重んじており、昭王による王都への召還にも応えず、前線に身を置き続けている武将として有名。

先陣を切って戦いに臨む勇猛さ、大局のため犠牲を厭わない潔さ、戦局を動かすきっかけを捉えて攻勢へと転じる決断力を併せ持っていることが「麃公」の本能型の特徴です。

魏国軍との戦いにおいては、総大将を務めて決戦の地となった蛇甘平原で、その戦功者としての能力を存分に発揮。地戦を選んだ魏の戦略を見抜き、反撃の機会を見出すと間髪入れずに敵の本陣へと突撃。そして、魏国の総大将の「呉慶」の敷いた「九重槍壁」の陣をこじ開けて突破。さらに秦国と魏国の両国の大軍が見守る中、総大将同士の一騎打ちを仕掛けて勝利。

函谷関の戦いにおいては、秦軍布陣の右翼に配置されて、侵攻しようとする合従軍に対して、その鼻先へと一早く自軍を率いて突入して、合戦初日の前線で主役を演じる活躍を見せました。いったんは趙国の将軍である「慶舎」の策にはまり敵陣の深くへと入り込み挟撃されそうになりましたが、飛信隊の助勢を受けて軍を立て直して勢いに乗り「慶舎」に肉薄する反転攻勢を見せました。

「麃公」は、合従軍を迎え撃つ戦いで同じ戦場を駆けたことにより、「信」の中に確かに燃え盛る、若き炎を見出します。そして、「信」と杯を交わしながら「儂には六将のような光も夢も必要なかった。儂はただ戦場て戦いに勝利し、その夜うまい酒を飲めればそれで満足じゃった」と、自らの武人としての誇り、そして戦いのさなかでの心構えを語っています。「麃公」は、「信」の成長と行く末を確信して、心底楽しみにしていました。そして、「麃公」の器の大きさは、「信」の成長に大きな影響を与えることとなりました。

函谷関の戦いが続く中で、「李牧」が率いる別働隊が秦国の中都市を陥しつつ、首都の咸陽へと進軍。それを察知した「麃公」の軍と飛信隊は、この「李牧」の別働隊を猛追します。本能で「李牧」の戦術「流動」を打ち破ると、「李牧」の目前に迫ります。

そして、立ち塞がった趙三大天の武神「龐煖」と激突して片腕を落とされながらも闘志を燃やして「龐煖」の腕を折り、「信」へと最期の言葉をかけながら絶命しました。


「キングダムの麃公を史実と照合した結果」

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「王騎」からは、「野性の直感で戦うような本能型」と原作の7巻67話で言われている「麃公」ですが、彼もまた「信」を一目見て、その才気を見抜きました。
将軍と一兵卒という立場を超えて酒を酌み交わすほどの親しみやすさを見せながら、「信」の成長を気にかけていました。実際に「信」は、初陣の蛇甘平原の戦いや合従軍の戦いで、麃公軍に属して参戦していました。

合従軍の戦いでは、「貴様 本能型の武将の才が目覚めてきておるぞ」と原作の26巻275話で語り、「信」が自分と同じ本能型の将軍になると発言していました。これは、自分の跡を継ぐ秦の将軍に育てたいという気持ちの表れかもしれません。

その後の「麃公」については、合従軍の戦いで最期を迎えます。合従軍を離れて秦国に侵攻していた「李牧」の策略に素早く気付き「李牧」を追う中で趙三大天の「龐煖」との戦い、一騎打ちでした。

敵軍を引きつけながら、「信」に自分の盾を投げ与えます。そして、原作の30巻325話で「つむがれていく炎」とその思いを「炎を絶やすでないぞォ」と言い残して、「麃公」は自らが盾となって戦死します。

この最期の姿は、「麃公」自身の跡を追うように成長する「信」に見せるに相応しいものでした。

こうした原作のキングダムにおける「麃公」ですが、実際に存在していた将軍なのでしょうか。実は、「史記」に名前が残る実在の秦国の将軍なのです。

紀元前246年に文信侯となった「呂不韋」に「李斯」、「蒙驁」、「王騎」らと共に仕えたとされます。史実では、呂氏に近い人物だったと考えられています。そして、紀元前245年に魏国に攻め入り30000人を斬ったと記録されています。

しかしながら、「麃公」が魏国を攻めた翌年の紀元前244年に韓国を攻めていた「蒙驁」が再び魏国を攻めたとの記録が残っているために合従軍の戦いの前に「麃公」は亡くなっていたかもしれないと考えることが出来ます。


「キングダムの麃公のキャラクター設定秘話とは」

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キングダムのキャラクターの中でもとりわけ人気の高いキャラクターに入るであろう「麃公」将軍。では、どのような経緯でキャラクターとして設定されたのでしょうか。そして、ストーリーを考えていかれたのでしょうか。原作者の「原泰久」さんはインタビューで次のようにコメントされています。「もとは舞台設定のシーンで、たまたまノリで描いたキャラでした。面白いキャラだなとは思っていたので「麃公」として再登場させたんです。最初に描き始めた頃は「麃公」があんなに大きなキャラクターに育つとは思っていませんでした。けど、六将に匹敵するくらい強いキャラになってきた時点で、そういう名誉には興味のない人なんじゃないかと思いました。純粋に楽しんで描けたキャラのひとりなんですが「本能型」という設定が、少し描くのが難しかったです。気を抜くと他の将軍と同じように理詰めで動いているキャラになってしまうので。」と実はノリで誕生したキャラクターが「麃公」だったようです。それでも、特別なキャラクターとして育っていったようです。

また史実の「麃公」をモデルとして描かれていったのか、ということについては「史実には「麃公」の最期について記述が残っていないんです。しかし、合従軍戦の南道のあの場面で「麃公」の見せ場が回ってきました。「麃公」の死を惜しむ読者の声は多かったし、僕も描いていて辛かったんですが、あれは僕の中で回避できないものでした。ネーム中、原稿中と泣いてしまいました。ただ無駄死にするようなことではなく、きちんと「麃公」にもドラマを作って。死体も放置していかざるを得ない状況でしたし、置き土産を残していくという演出も拘りました。」ということで、キングダムのオリジナルのストーリーとして描かれていったようです。


「原泰久さんの麃公お気に入りのシーンとは」

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函谷関の戦いの時に、「信」と酒を吞んだりするシーンは気に入っていますね。あとは「前進じゃァ」と咸陽のほうに手を挙げるシーンと、助けに来るなと、「信」に盾を投げるシーンが好きです。


「豊川悦司さんがキングダムの麃公役についてコメント」

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「キングダム2 遥かなる大地へ」で秦国の将軍であり、「信」に多大な影響を与えた「麃公」を演じたのが、「豊川悦司」さんでした。「豊川悦司」さんは、「キングダムが、強者役者をキャスティングしまくっているという噂が走った。なんかドキドキした。俺に声がかかるのか、かからないのか。強がりしててもなんか気になる。で、この大役をいただきました。就職試験に受かった気分。トヨエツじゃねー!という声もあるでしょうが、佐藤監督のもと、キングダムの世界にどっぷりと浸ってきた。大感謝。大満足。想像以上に1を超えた2が、あなたの目の前に繰り広げられるでしょう。キングダム、恐るべし!」とコメントされています。このことから俳優としてのキャリアや芸歴なども考えると、「豊川悦司」さんが「キングダム」に対して並々ならぬ思いをもって引き受けてくださった、謙虚さや撮影に打ち込んだ気持ちが伺えます。実際に「豊川悦司」さんが「麃公」を演じておられるのを観ると原作と違和感がありません。それほどはまり役なのです。これは、原作において人気の高いキャラクターである「麃公」について続編の「キングダム」における「麃公」役の「豊川悦司」さんに注目せずにはいられないと思います。


「最新作のキングダム3 運命の炎の押さえておきたい見どころのポイント」

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映画キングダムの注目のポイントは下記のような感じかと思います。

シリーズ3作目となる最新作が2023年7月28日金曜日に公開されるとのことです。

そして新作のタイトルは、「キングダム3 運命の炎」というものです。

実のところ、この規模の超大作としては、異例となる2年連続での公開となると言うことです。前作で映画館に駆けつけたファンの盛り上がりは継続中です。その中、再び暑い夏に公開されると言うのです。

そして、注目は今回の最新作で描かれるのは「馬陽の戦い」と「紫夏編」ということです。

キャラクター人気ランキングの中でも、最も人気のある「王騎将軍(オウキショウグン)」の戦闘と「嬴政(エイセイ)」の命の恩人について描かれているため、大迫力のシーンと悲しみの涙と人間の心の強さなど楽しみな内容となっていると思います。

そして映画はキングダムの柱、魂とも言える「なぜ、中華統一を目指すのか」というテーマに挑戦し続けています。


「新作映画に向けてキングダムのあらすじストーリーを振り返る」

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まだ1度も統一されたことがない、7つの大国が戦いに明け暮れていた春秋戦国時代と言われた時代が舞台です。

主役の信(シン)は、「山﨑賢人」さんが演じておられます。

この信は、戦争孤児として育っていますが、ともに夢を追いかけなくなった親友と同じ姿をした、秦の国王に出会います。

この国王は嬴政(エイセイ)で、「吉沢亮」さんが演じておられます。

信は国王である嬴政と出会い、信の人生はターニングポイントを迎えます。運命に導かれるように、中華統一への道を駆け抜けることになっていくのです。

そうした中にあって、「橋本環奈」さんが演じておられる、河了貂(カリョウテン)や「長澤まさみ」さんが演じておられる、楊端和(ヨウタンワ)の力を借りて、亡くなった親友と約束した「天下の大将軍になる」という約束を叶えるために、長く険しい道を歩んでいくことになったのです。

そして、信にとって初陣となる蛇甘平原の戦いで、羌瘣(キョウカイ)に出会います。

この羌瘣(キョウカイ)役は、「清野菜名」さんが演じておられます。

そして、この初陣となる戦いで信は、武功を挙げることになります。そして100人を率いる将へと昇格して、夢への道を進み始めることになったのです。しかし、そのような中、突如として趙(ちょう)が大群を率いて侵攻してきたと言う報告がありました。これに対して秦の軍というのは、寄せ集めの兵で構成されていました。この状況で趙の大軍を馬陽(ばよう)で迎え撃つことになるのです。圧倒的に不利と思われる中、秦の国王である嬴政は、大きく戦局を動かそうとします。

それは、かつて中華全土に名を轟かせた、「王騎」将軍を総大将に任命するのです。

今回、この「王騎(オウキ)」将軍を演じるのは、前回に続き、「大沢たかお」さんです。

しかし、不思議なのは「王騎」将軍は戦場離れていたのに戻ってきたということです。それで、なぜ「王騎」将軍は、戦場に戻ってきたのか?そして、因縁の地である馬陽で彼らを待ち受ける運命とは、どのようなものなのかということが描かれます。こうして、新たな信と仲間たちの夢を賭けた戦いが始まります。2023年7月28日(金)の映画公開を楽しみにしたいと思います。

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。