【IHI・NEDO】水中浮遊式海流発電システムかいりゅうの詳細

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【IHI・NEDO】水中浮遊式海流発電システムかいりゅうの詳細

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世界中でエネルギー不足が問題化する中にあって日本もエネルギー不足、とりわけ電力不足をどのように賄うのかというのは年々大きな課題として取り上げられています。そうした中でクリーンエネルギーによる発電は大きな期待とされています。その一つとして開発が進められているのが「電力需要」と「温室効果ガス削減」という2つの課題をクリアするという「温室効果ガスを排出しない発電法」の開発です。その中の発電方法は「太陽光発電」、「風力発電」、「水力発電」などがありますが、現在話題となっているのが「海流発電」というシステムです。これは、海流の力を利用して発電を行うもので再生可能エネルギーから発電を行うものです。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、次世代発電システムの「海流発電」に注目します。


「海流発電システム・かいりゅう」

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「海流発電」の一つが水中浮遊式海流発電システムで「かいりゅう」と呼ばれています。しかも、今後10年で実用の段階に突入するということで期待されているシステムです。この発電システムの開発は「IHI」と「NEDO」が取り組んでいる事業で2019年の秋から鹿児島県十島村口之島沖で実証実験がスタートしています。「かいりゅう」は海流からのエネルギーを利用するように設計された実験機のことです。設備としては全長と幅が、それぞれ20m、重量:330tの本体、直径:11mのブレードが2基搭載された巨大な設備のサイズです。そして、海面から30m~50mの水中に浮遊するように設置して、1.5m/secで100㎾の発電ができるように設計されています。


「海流発電システムとは」

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「海流発電」とは、羽で受けた運動エネルギーをタービンを介して回転運動に変え、発電機が回転することによって電気エネルギーを生み出すシステムのことです。原理としては風力発電に似たシステムですが海流からエネルギーを取り出すというのが大きな特徴です。風力発電と似ていますが海流と風では密度も約800倍と大きく異なるということです。それで、この大きなエネルギーを利用しようというのが「海流発電」です。タービンの種類というものもいくつか考案されているようです。

「水平軸型タービン」:海水に対してタービンの回転軸を水平に向けて設置し、タービンには風力発電と同じように複数の羽根を取り付けるのが「水平軸型タービン」。

「垂直軸型タービン」:海水の流れに対してタービンの回転軸を垂直に向けて設置し羽根も回転中心の外側に垂直に複数配置されるタイプ。この方式は断面は均一でプロペラ式よりも安価に制作できるということです。

「振動水中翼型」:海流の流れの中に翼を置くことで羽根の上下に抗力と揚力が働き、その上下動を振動ととらえて発電する方式。


「海流発電のメリットとは」

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「海流発電」のメリットには、どのようなものはあるのでしょう。

・安定した発電が見込める:海流は風と比較すると密度が大きく安定しているために流れが遅くても大きな電力を取り出すことができます。この事実は、安定した発電量を期待できるということに繋がります。例えば、再生可能エネルギーからの発電の代表格と言われる太陽光発電や風力発電は発電量に天候に大きく左右されてしまいます。それゆえに安定的に発電できないという弱点があります。安定的に発電することができないことは電力を溜められないという性質を考えると、ベースロード電源と呼ばれる火力発電などを調節する必要があります。

・コストを抑えることができるということです:風力発電のような高い鉄塔は必要ではありません。海に重りを沈めてワイヤーで係留するという方式となっています。世間に普及させて定着させるためには「安く」、「簡単」にという部分が問われる局面が頻繁にみられているようです。


「海流発電のデメリット」

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「海流発電」の課題となっているのが、海流は時々流れが変わるということ。さらに流れの速さが異なるために発電設備の設置場所を選ぶ必要があります。発電設備の設置に関しては変化する海流に対応することと海洋であるために漁業に対する影響も考慮する必要があります。また設備的に風力よりも大きなエネルギーを活用するために強度と耐久性が求められているということです。特に海洋は高潮や台風などの影響を受けるケースが考えられます。こうしたことに耐えられるハード的な耐久力は必須です。同じような部分では海洋での発電となるので海水の塩分による錆対策もひつようです。さらには階の付着の除去などにコストがかかっています。発電した電力をどのようにして海洋から消費地であるなら、陸地へと運搬するということも考える必要があります。「海流発電」は海洋で行うために陸地とは距離を保っています。そして、この送電網を整備する必要があり、こういった部分のコストも課題の一つ。

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管理人:TMM

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。