【日本海底熱水鉱床】天美サイトと青ヶ島熱水噴出孔の採掘結果と商業化

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【日本海底熱水鉱床】天美サイトと青ヶ島熱水噴出孔の採掘結果と商業化

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鉱山資源やエネルギー資源は海外より輸入し、資源に乏しい国として日本は世界に認識されていました。しかし、海底に目を向けると事実は異なっているようです。なんと世界6位の面積を持つ海底資産が眠っているのが日本なのです。火山プレートが4枚も交わっており鉱床や海底資源の宝庫とも言われています。今後の日本の資源に大いに期待できることが明らかになりました。なんと日本近海に眠る「金」が採掘されたというのです。他にも「メタンハイドレート」や「コバルト」などの貴重な資源が発見されているのです。もし、日本の近海で海底資源の開発や採掘ができるようになれば、世界的にも日本に対する見方や立場に大きな影響をもたらすと言えます。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、日本の海底資源として採掘された「金」に注目します。


「日本の海底熱水鉱床とは」

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「海底熱水鉱床」とは、地下深部に浸透した海水がマグマなどによって熱せられて、地殻から有用元素を抽出した「熱水」が海底に噴出します。そして、周辺の海水によって冷却される過程で「銅」、「鉛」、「亜鉛」、「金」、「銀」などの各種金属が沈殿してできたものです。一般的には水深500m~3000mの中央海嶺などの海底が拡大する場所で見られ世界で350か所程度の徴侯地が発見されており、鉱床として注目されています。そして、2019年8月~10月にかけて「JOGMEC」が実施した海洋鉱物資源調査によれば、日本の鹿児島県奄美大島沖で新たに「海底熱水鉱床」を発見したということです。そして発見された「鉱床」は、他の鉱床と比較すると浅い水深に存在しており、開発がしやすいとの見方がされているようです。「JOGMEC」とは、経済産業省から委託を受けて海洋資源調査業務を行っている独立行政法人です。そして、調査内容は多岐にわたっており、「広域的な地形調査」、「海底観察」、「物理探査」、「ボーリング調査」などを継続的に実施しています。ちなみに「JOGMEC」は、これまでに7つの鉱床を発見しています。これらの鉱床の特徴を解析して、その知見を積み重ね価値は高まっています。そして今回、「JOGMEC」が発見した「海底熱水鉱床」は、「天美(あまみ)サイト」と名付けられています。


「日本の海底熱水鉱床の採掘結果」

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日本の周辺海域の「海底熱水鉱床」は、比較的に浅い水深に分布しており開発や採掘に有利であると言われているようです。そして、「海底熱水鉱床」は、これまでにない高品位の「金」や「銀」を含む、有望な鉱床となることが予想されています。採取した7試料を分析した結果、平均で「銅:1.52%」、「鉛:11.07%」、「亜鉛:16.37%」、「金:32.5g/トン」、「銀:8.322g/トン」の品位が得られるとされています。これらの数字から鉱脈としてのポテンシャルは非常に高いと言えるようです。かつて日本も探検家の「マルコポーロ」が「黄金の島ジパング」と呼びました。また戦国武将の「武田信玄」は「金」の採掘、いわゆる「甲州金」を使用して軍事費に充てていました。とりわけ戦国時代の日本は世界第二位の銀生産国だったともいわれています。このようなことを考察すると、「海底熱水鉱床」からの貴金属の採掘は「金・銀ラッシュ」の再来と考えることもできるのです。


「天美サイト海底熱水鉱床の商業化」

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では、実際に採掘した場合、収益はプラスになるのでしょうか?下記は採掘シミュレーションによる予想となっています。

「沖縄海域で1600mの深さから採掘用の船2隻、1日最大5000トンを採掘」というj条件の元、20年操業するというものですが残念なことに800億円近い赤字となりました。これは採算性が取れないという結果になってしまいました。解決させるためには「採掘コストを低下させる」、「より高品位で価値のある金属を採取する。」ということが考えられるということです。


「青ヶ島の熱水噴出孔の採掘結果」

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実のところ日本の近海には「天美サイト」に加えて魅力的な あります。例えば、東京から南へ400キロの場所にある「伊豆諸島」の「青ヶ島」の周辺である海域も注目されています。この海域で東京大学の研究チームが発見した「熱水噴出孔」は、有望な鉱床の案件とされています。ここから回収された岩石による含まれる「金」の量を調べてみると、「金」の濃度が1番高いもので、およそ170ppmもありました。ちなみに陸上の金鉱山では、数ppmでも金があると採算がとれるとされています。これは非常に高い純度で「金」が含まれていることを意味しています。「青ヶ島」近くの「熱水噴出孔」では、水深700mと比較的に近く、さらに「熱水噴出孔」の温度は270℃ほどと低いのがポイントです。この温度がちょうど「金」が溶けやすい温度であり、金の濃度が高まる要因となっています。「採掘コストを低下させる」という意味が注目されています。そして、「ラン藻」と呼ばれている原始的な藻を使用した「金」の吸着法です。この研究では藻を乾燥させて粉末にした後、シート状に加工することで「金」の吸着率が上昇することが発見されました。さらにシート表面の反応を活性化するためにライトを当てると効率がより上がることもわかってきました。このシートを活用することで「金の回収が可能」となるのではないかと言われています。この研究は大手機械メーカー「IHI」の技術開発本部に努める「福島康之」氏のアイデアが研究の起点となっています。「福島康之」氏は開発のために藻を培養しており、藻を死滅させないために機材と藻を自宅に持ち込んで培養を続けるなどの苦労もあったようです。今後について「IHI」の「福島康之」氏は、この藻を使ったシートで実際に金が回収できることを証明したいと思います。資源不足が大きな課題として表面化する中で、私が開発した技術が少しでも、その解決に貢献できればと願っています。とコメントしています。


「海底熱水鉱床の課題とは?」

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「海底熱水鉱床」の課題となるのは、海洋での採掘となるために揚鉱全体システムの構築、実際のオペレーションが課題として考えられています。さらに「海底熱水鉱床」の開発を想定した国内外の法制度の整備や「金」の精錬プロセスの整備など、課題は多いようです。採算性の確保という課題については、明るい見通しが見えてきているというのが現在の状況のようです。

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管理人:TMM

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。