【核融合発電】日本の産総研が開発したエネルギー問題解消技術が稼働

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【核融合発電】日本の産総研が開発したエネルギー問題解消技術が稼働

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地球温暖化対策の一つとして脱炭素、カーボンニュートラルが推進され環境への配慮が注目されています。そのような中、2022年秋に稼働する予定とされている「核融合発電」。この発電システムは「原子力発電」とは仕組みが全く異なる発電システムで特筆すべきは世界で開発が進められているものの日本の開発は中心的な存在として開発をリードし、ベンチャー企業も設立されているということです。加えて、「産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)」が海水から人工的に酸素と水素を作り出す装置の開発にも成功しています。それゆえに「核融合発電」もシステムが構築されればエネルギー問題や環境問題が解決される可能性が高いとも言われているようです。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、日本が世界をリードし開発を進める世界的なエネルギー問題を解決する可能性の高い「核融合発電」に注目です。


「産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)とは」

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「産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)」は、日本全国に11か所の研究拠点と約2300名の研究者が研究開発に携わっており、国と産業界の橋渡しを行っている公的機関です。


「核融合発電システムとは」

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「核融合発電」は、太陽で起こる核融合反応からアイデアを得て開発されたシステムです。ちなみに核融t合とは、太陽をはじめとする宇宙の星など明るく輝くエネルギーを放つ仕組みのことです。高温高圧な太陽の核などで水素同士が結合してヘリウムに変化することを指しています。つまり太陽の光を地球上で起こそうとしていることになります。海水から重水素と三重水素を取り出してプラズマ状態にすることで人工的に太陽と同じ核融合反応を起こすということです。海水という燃料不足は解消されます。重水素は海水から取り出すことが可能ですが、重水素だけでは5億℃まで高温にする必要があります。そのため三重水素を用い1億℃で核融合を起こすことを可能としています。三重水素というのは天然では存在しませんがリチウムから製造することが可能なのです。そして、この核融合反応を人工的に起こすためには幾つか方法があるようですが、磁力を利用する磁力閉じ込め方式と強力なレーザーを利用する慣性閉じ込め方式の2つの方法が使用されています。


「核融合発電の安全性」

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実のところ「核融合発電」は原子力発電よりも安全であるために今後の開発、実用化が期待されています。「原子力発電」は、核分裂反応を起こすもの。核分裂というのは、連鎖的に起こるゆえに暴走し、制御不能となってしまうこともある。しかし、「核融合」は燃料の供給が止まると反応も止まる。そして、二酸化炭素や高レベルの放射性廃棄物が発生することもありません。燃料1gから石油8トン分のエネルギーを作り出すことが可能とされ、エネルギーが枯渇する恐れもありません。欠点を挙げるならば、低レベルの放射性廃棄物が発生してしまう。しかし、高レベル放射性廃棄物であれば何万年という期間の管理を必要とするものの、低レベル放射性廃棄物は100年ほどの管理で済むことになります。しかも、この放射性廃棄物は次の核融合炉に再利用することが可能です。また「核融合発電」に使用される三重水素は、トリチウムと呼ばれる核兵器の原料になっている物質ゆえに核兵器に転用される恐れは拭うことはできません。高ベータガンマ廃棄物も排出しますが、これは原子力発電よりも多く出てしまうものの、既存の技術で処理が可能ということです。そして、保管スペースが50mプールの体積程度で十分ということです。


「世界をリードする日本の核融合発電」

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「核融合発電」については、実は日本が参加している国際的な枠組みである「ITER計画」において、フランスで実験炉の建設が進められています。そして2020年代半ばまでに稼働させる計画している国もあります。そのような中で日本は中心的な存在で京都大学の教授がベンチャー企業を設立しています。また産総研が海水から酸素と水素を永久的に作り出すことを可能とした装置を開発しています。太陽光の半分を占めている可視光を使って、これまで困難と言われてきた開発に成功しています。1970年のオイルショックから世界で研究が進められてきましたが、これまで成功例はありませんでした。この産総研が成功した装置は、様々な環境下で同じ反応を起こすことが可能か確かめる必要があるために海水(マグネシウムやカルシウムといった様々なイオンを含んでいるため)を利用し酸化物半導体に可視光を照射して食塩水が分解されるときに発生する有害な副産物(次亜塩素酸/有害物質であり危機を腐食劣化させる)を抑え、酸素だけを取り出すことに成功。これによって低コストで酸素と水素を作り出すことが可能となるという装置。この装置は、光電極に薄膜を制作し、その上にマンガンを塗ったものを使用することで次亜塩素酸を発生させずに酸素を発生させることに成功したというものです。この技術は、人工的に光合成を可能にしているようなものなので、地球温暖化対策にも貢献することになる。日本が「核融合発電」を実用化できるようになるためには、3つの要素を同時に達成することが必要となっています。その3つとは。


「核融合発電実用化のカギ」

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「核融合発電」を実用化できるようになるためには、3つの要素を同時に達成することが必要となっています。

1つ目:核融合の際、プラズマを維持すること。

2つ目:燃料を炉内で増殖させること。

3つ目:熱処理と発電用の高温熱を取り出せること。

「ITER」では、プラズマの維持は成功しているようです。そして、残りの2つの候補となる技術を試している状況です。

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。