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【クロネコヤマト】ヤマト運輸のドローン・サイクロローターの性能
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現在の日本において危惧されている問題の一つに「人手不足」というものがあります。どの業種においても、今後、直面する大きな課題でどのように克服していくのかという多くの人が関心を寄せている分野でもあります。とりわけ「人手不足」が深刻化しており、私たちの生活を支えている業種が物流業界といえるでしょう。そのような中、物流業界最大大手の「クロネコヤマト」が新型「ドローン」を開発したことが発表され大きな話題となっています。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、「ヤマトホールディングス株式会社(クロネコヤマト)」が開発したドローンに注目します。
「クロネコヤマト・ドローンの特徴とは」
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「ヤマトホールディングス株式会社(クロネコヤマト)」が開発したドローンが発表されましたが、これはオーストリアのeVTOL開発会社の「サイクロテック(Cyclo Tech)」と協力して貨物ドローンのコンセプトを発表しています。
1「近未来的なデザイン」:荷物を運ぶためのデザインでドローンを用いて荷物を届けるという将来性を形としたデザインです。
2「プロペラがない」:従来型であればドローンは4つのプロペラが付いたタイプが一般的です。しかしながら、「クロネコヤマト」の新型ドローンは期待に取り付けられた6つの筒がポイントです。この筒は「サイクロテック(Cyclo Tech)」が研究を続けている「サイクロローター」というシステムです。筒の中に装備された羽根が回転することで推力と浮力を得るという構造となっています。コンパクトながら推力の大きさと方向を瞬時にコントロールできるためにホバリングから前進飛行へと自然に移行できる点がポイントです。このシステムの原理は、船舶に用いられるシュナイダープロペラの原理が応用されています。これは、回転面に対して翼が垂直に取り付けられており、各翼と回転軌道との角度をコントロールすることによって推力の大きさと方向を自在にコントロールできるのです。「クロネコヤマト」のドローンは合計6つのサイクロローターが装備され安定感を増し、従来のマルチコプターのように横に傾かなくても水平方向に推力を発生させられます。
「クロネコヤマトのドローンのスペック・運搬能力とは」
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「クロネコヤマト」のドローンは荷物を運搬するということに対して利点を獲得したデザインが形となっています。その一つがドローンに収められる貨物ユニットです。収まる貨物ユニットは「PUPA701」で、約30㎏の荷物を収納できます。また手押し車への変形が可能でドローンまで手押し車で運搬し、ドローンで届けるという運用が見据えられているようです。また荷物を搭載した状態でもドローンは最大で130km/hのスピードで飛行できるということです。コンパクトな機体で直径5mの狭い場所でも離着陸できるというメリットを活かして都市部の高層ビルの屋上や離島での活用が期待されています。
「物流業界の課題とは」
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物流業界における問題は大きなもので注目されています。「業務量増加」や「人手不足」といった問題は深刻化しており喫緊の課題となっています。それでシステムの効率化が求められています。近年においてはネットショッピングの増加によって宅配の小口郵便物の取扱量が増加し物流業界には高い負荷がかかっています。また「人手不足」ということに対しては、トラックドライバー不足が表面化しており、現役のトラックドライバーも高齢化ということもあり輸送能力の限界が示唆されています。そうした中でも物流業界は社会インフラとして大きな存在であり必要不可欠です。
「運搬ドローンのメリットとは」
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物流業界の課題について振り返るとドローンによる運送というのは物流業界にとっては明るいニュースです。ドローンの利点は人件費だけでなく手間という部分でもコスト削減が見込めること、運送業として利便性を高めることができることなどメリットが大きいのです。さらに災害時の迅速な物資の輸送という意味でもドローンによる運送は期待が持てます。被災地では道路が使用不可になることが多々あるからです。
「日本と海外の現状比較」
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物流業界におけるドローンの現状を日本と海外で比較すると、残念ながら日本は出遅れています。海外では積極的に実験が行われており実用化に向けて取り組みが進んでいます。それに対して日本ではドローンが墜落した場合のリスクを考慮して控えめな実験が行われています。確かにドローンの機械的なトラブルが発生した際の処置や風、雪などの天候条件に左右されやすいという点などは課題点と言えるでしょう。
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