【メーカーの不正】VW改ざんによってEV移行加速した裏事情とは

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【メーカーの不正】VW改ざんによってEV移行加速した裏事情とは

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カーボンニュートラルの促進によって持続可能エネルギー(Sustainable energy)として環境にやさしいとされるEV自動車の普及に注目が集まっています。欧州諸国から世界に発信された自動車のEV化ですが、それによって少しでも私たちの住んでいる地球が住みやすいところとなることを願うばかりです。しかし、実際にEV自動車の普及は最善の選択しなのでしょうか。「TimeMachineMuseum」では今回、EV自動車の普及に至った経緯という観点に着目し、実際には欧州諸国では、どのような自動車が普及しているのかに注目します。


「2015年9月に不正発覚」

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実のところ欧州諸国においてはEV自動車という電気をパワーユニットにした自動車を推進しているものの、実際にはディーゼルエンジンの自動車が多く走っています。有名な自動車メーカーが数多くありますがドイツの「ポルシェ」社だけがディーゼルエンジンから撤退を2019年に発表しているにすぎません。EV自動車への移行のターニングポイントとなったのは、「フォルクスワーゲン」社の排気ガス排出量不正問題です。2015年9月18日に発覚した「フォルクスワーゲン」社によるディーゼルエンジンの排出規制ガス不正はアメリカの環境保護庁の発表によるものでした。しかし、2016年においてもディーゼルエンジン車の所有は約半数というデータも存在していました。なぜ、欧州諸国はディーゼルエンジン車を好んでいたのでしょうか。


「ディーゼルエンジン車は国が優遇していた」

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欧州諸国においてディーゼルエンジン車が多い理由に①:「環境に適していたこと」②:「国が優遇していたこと」が挙げられます。まず、①については欧州諸国は陸続きの移動距離という点です。物流や神流は国の経済発展に直接つながるもの。それゆえに国はディーゼルエンジン車の燃料である経由に対して減税などの優遇処置を施しています。しかし、現在では環境問題に取り組む必要があるためにディーゼルエンジン車に増税しています。税率だけで見てみると1980年代から2008年まででも約5倍に上がっています。日本でも一時期「ディーゼルエンジン車NO作戦」といったディーゼルエンジン車規制が進んだ時期もありました。そして、最近では世界的にディーゼルエンジン車撤廃しEV自動車普及の動きを強く見せています。


「環境にやさしいディーゼルエンジン車の開発」

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EV自動車普及が強まっている中、環境にやさしいクリーンディーゼルエンジン車の開発も進められていることは、あまりニュースで取り上げられることはありません。ディーゼルエンジン車への規制が強める中で排出ガスや黒煙のもととなる触媒浄化技術の開発が進んでいきました。実はガソリンエンジン車と比較してもCO²排出量が少なくディーゼルエンジン車の販売は伸びていくことになりそうです。実際に一時期は、ディーゼルエンジン車の新車販売台数は市場の約半数を占めるほどにまでなりました。日本でも高級車がディーゼルエンジンを採用していたりします。


「ディーゼルエンジン排出ガス不正問題の損失額」

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ディーゼルエンジン車の販売台数向上は「フォルクスワーゲン」社の不正問題が発覚した2015年以前から起こっていました。とはいうものの、不正発覚後の2015年以降からEV自動車促進が強くなりディーゼルエンジン車は減少傾向にあります。この不正発覚は世界中に飛び火し、ディーゼルエンジンの開発に積極的な日本のマツダの株価も低下してしまいました。実に排出ガス問題の解決や所有者への補償、民事訴訟、刑事訴訟の対策費など合わせると約10兆円もの損失が出ると言われていたようです。


「ディーゼルエンジン車が存続する理由」

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ディーゼルエンジン車の廃止にしてしまうならば国の経済が衰退していく可能性も無きにしも非ずなためにディーゼルエンジン不正問題後の2015年にドイツの首相は「ディーゼルエンジン車の改良と電気自動車EVの開発を同時に進める」と発言。これは、ドイツ自体がディーゼルエンジンを発明した「ルドルフ・ディーゼル」の出身国であることやディーゼルエンジン車のライセンスや特許もドイツが多く持っているために国の資産として価値を下げないため。ドイツだけでもエンジン関連の仕事に従事している人口は60万人とも言われています。雇用の問題もあるために欧州諸国はディーゼルエンジン車を切り捨てることは不可能なこととされています。しかも簡単には電気自動車への移行は難しいとされています。


「電気自動車のエコ問題とは」

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ディーゼルエンジン車やガソリンエンジン車からEV化、電気自動車への移行が急速に世界中で進められていますが、電気自動車は本当にエコなのかという疑問も残っています。電気を動力源としている車は、走行時にCO²を排出させる量は減少させることができます。しかし、電気を発電するためのことを考えるとどうでしょうか。現状で考えると発電する技術(火力発電)として化石燃料を使用することはCO²排出量が問題となっています。エネルギーロスや環境負荷は高くなっています。世界全体の発電のうち約75%はクリーンではない旧式の発電方法で電気を発電させているのです。ということは、クリーンエネルギーを使用していない電気自動車がエコな乗り物と言えるのか疑問となるわけです。むしろ、電気自動車で電気を使用するほどに環境が破壊されていくことに繋がるのです。また電気自動車に使用されているリチウムイオン電池は製造する際のCO²排出量が多いことが問題となっているのです。その排出量は普通のガソリンエンジン自動車の2倍以上とされています。リチウムイオン電池の総電力量が増えるほどに製造時のCO²排出量が増加してしまうようです。ほかにもEV化が促進されている欧州諸国では電気自動車が普及する割合に比べて充電スタンドが不足しており訴えられている実情があります。電気自動車の開発だけでなく公共施設の充実が進まなければ電気自動車の普及は難しいと考えられます。加えて、廃棄の問題もあります。電気自動車のパーツをどのように処理するのか、リサイクルは出来るのか、などの議論が十分に行われていない状態です。2019年に使用されていたEVからは最終的に50万トンのバッテリーゴミが発生するとされています。しかも、そのうち32万トンはリサイクルができないとのことです。それでも2035年までにEUはハイブリッドを含むガソリンエンジン車の販売を禁止する方針を発表しています。そして、この方針にはアメリカ、中国、日本が追従する検討をしています。

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管理人:TMM

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。