【PaleBlue】2025年に小型衛星用の水エンジンを実用化

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【PaleBlue】2025年に小型衛星用の水エンジンを実用化

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内燃機関のエンジンから電気自動車などモーターを使用するEVが世界的に推進されており、日本のエンジン技術の開発が危ぶまれているなどの報道を見聞きすることがありますが、実際のところどうなのでしょうか。最近では、脱炭素化による再生可能エネルギーによるカーボンニュートラルが求められ日本は苦境に立たされているなどとも言われています。しかし、実はエンジン開発は世界的に最先端の技術で実証実験が行われているのです。その一つが「水エンジン」の開発です。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、2025年に実用化されるとされている「Pale Blue」の「水エンジン」の開発に注目します。


「水エンジン技術の開発とは」

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日本国内で唯一の企業「Pale Blue」。この企業は、東京大学発のスタートアップ企業で、水を推進剤とする小型衛星用のエンジンの研究開発を進めている企業です。「水エンジン」は、ガスと違って安全性が格段に上がるというのが最大のメリットです。無害で扱いやすい水を使用することが出来れば、安全性や環境性能が、高くなると言われています。ガスは高圧で有毒で爆発などのリスクもあります。加えて、専用の建屋や装置による管理が必要ゆえにコストが高くなるというデメリットがあります。それに比べて、水は安全で管理費用を約10分の1に抑えることが出来るということも注目の理由です。


「水エンジンの構造とは」

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「水エンジン」の内部の真空空間に水を噴射し20℃ほどの温度で蒸発させる。そして、その水蒸気を穴から高速で噴き出して推進力を得るという構造になっているということです。これは、東京大学が中心となって開発をした「超小型深宇宙探査機EQUULEUS」のエンジンで、「AQUARIUS」は「NASA」にも納入されているエンジンです。「AQUARIUS」の小型低電力化のポイントは推進剤としての水と、独特な常温蒸発方式です。工程としては、まず気圧を下げて常温蒸発を行いつつ熱を逃げにくくする。次に周囲に配置した高温機器からの排熱をさらに供給する。実際にこの「水エンジン」は、100%を超える熱効率を達成している。水の持つ欠点である、高い潜熱の問題も緩和しているということです。それによって安全性、取り扱い性、将来性というポイントを得ることができ、「水エンジン」が2025年には実用化されるということです。「Pale Blue」の「水エンジン」は内部に気化室と呼ばれる真空空間を設けることで完全な気液分離を実現させた構造です。エンジンを確実に起動させる仕組みを確立しているということ自体が注目に値するエンジンということです。また「超小型深宇宙探査機EQUULEUS」のエンジンの構造は、「6Uキューブサットサイズ」といって引き出しや書類カバンくらいほどのサイズということです。機能が損なわれない範囲で、素子の型番やサイズ配置を0.1㎜単位で調整し問題を解決するという取り組みを行ったということです。2014年頃から小型衛星用のエンジンの研究開発を宇宙実証を行い、「水エンジン」の開発分野を牽引してきたという経緯もあるようです。


「Pale Blueの水エンジン開発の計画予定」

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東京大学大学院新領域創成科学研究科の「小泉宏之」准教授の研究室のメンバーで構成されているのが「Pale Blue」です。そして、特許を多数取得しており、研究技術を応用して「水エンジン」を完成させています。「Pale Blue」は、実利用を意識した、仕組み作りから開発を始めています。一般的に宇宙開発は資金が得られるまで時間を要する事業ということもあり開発には時間がかかっているようです。ちなみに「水エンジン」には4.7億円の投資がされており、2022年に宇宙実証出来るということです。そして、世界各国の人工衛星を打ち上げる企業に「水エンジン」を販売することで利益を得るというビジネスモデルを持っています。その後に量産体制の構築とチームの拡大に活用していくということです。2023年以降は、販売先を海外にも広げて、量産体制を整えていき2025年に年間100台規模で製造販売を行うという計画があるということです。将来的には、水を宇宙で補給して火星などの遠い惑星へ行く方法としても検討しているということです。


「海外における水エンジン開発」

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2016年ころからアメリカなどの企業も参入している「水エンジン」。現在では、世界で3から4社が水推進機、「水エンジン」の研究開発を行っているということです。宇宙領域のスタートアップは、海外勢が多額の資金を調達し最先端の研究開発を行っています。それでも、小型衛星の研究開発では日本の企業も健闘しているのです。しかしながら、小型衛星用のエンジン開発に取り組んでいる企業は、世界で数十社ほど存在しているのが現実です。「Pale Blue」が開発する製品よりも燃費などの面では、海外ではもっと優れた製品も存在しています。それでも、安全性に対する期待という面では「Pale Blue」の製品に注目が集まっているようです。なにしろ、「Pale Blue」は安全性と燃費を兼ね備えている「水エンジン」に改良しているのです。

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管理人:TMM

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。