【四国海盆海域】JOGMECによる300兆円のEEZ海底資源とは

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【四国海盆海域】JOGMECによる300兆円のEEZ海底資源とは

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エネルギー問題が加速する中、いかにエネルギー資源を確保するのかが重要視されている世界の状況において、日本は地下資源や海底資源などに目を向けて開発を進め世界有数の資源国に変化する過渡期ともいえる時期となっています。とりわけ日本の排他的経済水域には貴重な資源が埋蔵されていることが注目されています。排他的経済水域は、沿岸国がその範囲内において天然資源の探査・開発などを含めた経済的活動について優先的に行うことができる水域のことです。日本は世界的にみても島国ゆえに排他的経済水域を多く持つ国で、海洋開発を積極的に行うことができる利点を有しています。そして、世界が注目しているのが日本の排他的経済水域の穴ともされている太平洋上の海洋区画です。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、日本の排他的経済水域に存在している貴重な資源や日本の排他的経済水域における取組や経済効果に注目します。


「日本の排他的経済水域の穴とは」

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日本の排他的経済水域の海図を見てみると太平洋上に穴が開いているのを確認することができます。この海域の名称は「四国海盆海域」と呼ばれているようです。穴の広さは17万7000㎢で、台湾2つと韓国を合わせたほどの面積となっているようです。この海域の「四国海盆海域」は、公海とされていますが2014年に国連によって正式に日本の独占的経済利用が認められています。


「注目すべき大陸棚」

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この「四国海盆海域」において注目されているのが大陸棚です。地形を示す言葉としての大陸棚は陸に引き続く比較的に傾斜が緩やかで推進130m付近まで続く海底の部分のことです。しかしながら、国連海洋法条約第76条では、「沿岸国の領海を越える海面下の区域の海底およびその下大陸縁辺部の外縁まで、または領海を測る基線から200海里まで」と定められています。これは、地形・地質的につながっていると認められた場合には、200海里を超えて大陸棚を設定することが可能です。


「排他的経済水域と大陸棚との違いとは」

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沿岸国は沿岸から200海里を自国の排他的経済水域に設定できるのですが、海底の地形や地質が一定条件を満たせば、範囲を最大350海里設定することが可能です。排他的経済水域の領域を拡大することには大きなメリットがあります。排他的経済水域では資源面の採掘の優先や船の航行や航空機の上空飛行、海底の電線、パイプラインの敷設などが可能です。それでも全ての国に航行の自由が認められており、通っていくことは制限されていません。日本は世界的に領海と排他的経済水域を合わせた面積は、447万km2に及び(日本国の国土の約12倍)世界でも6番目の広さになるのです。


「大陸棚の延長を行う取り組み」

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日本は200海里を超えて排他的経済水域を獲得するために大陸棚を延長させる取り組みを行っています。この取り組みについてですが、延長大陸棚は自国で自由に設定することはできません。大陸棚限界委員会(CLCS)に申請を行い、審査の後、認められる必要があります。地質学や地球物理学、さらには水路学の専門家たちが審査を行います。国家にとっては重要な申請でありデータに対して、科学的、技術的な検討を行う必要があるために審査に時間がかかっている状況です。過去の20年間に大陸棚限界委員会(CLCS)に提出された延長大陸棚申請数は84件になります。しかしながら、実際に大陸棚限界委員会(CLCS)が勧告を出した数は29件です。日本の大陸棚の延長へ向けての取り組みとしては大陸棚限界委員会(CLCS)に申請を行うことです。2008年11月には200海里を超える大陸棚に関する情報を大陸棚限界委員会(CLCS)に提出し、そして、約31万km2の大陸棚延長を認める勧告を受領しています。また2014年7月には総合海洋制作本部が、「大陸棚延長に向けた今後の取り組み方針」を決定しました。一定の延長が大陸棚限界委員会(CLCS)から認められた4海域のうち、2海域については日本国内でも法整備に着手し、勧告が先送りされた1海域については外交努力を続けている状況のようです。日本は、大陸棚限界委員会(CLCS)の第一期選挙から候補者を擁立し委員を輩出するなど大陸棚限界委員会(CLCS)に対して継続的に人的貢献を行っています。現在の委員である「山崎俊嗣」氏は海洋地質学などの分野における第一線の研究者です。


「大陸棚延長のための外交」

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大陸棚延長を含む排他的経済水域については、周辺諸国との問題は避けられないものです。日本近海は海底資源の存在が明らかになっており、周辺国から強い関心を持たれています。海底資源の種類は数多くありますが、注目されているのは「メタンハイドレート」です。「メタンハイドレート」は天然ガス主成分でエネルギー資源である「メタンガス」が水分子と結びつくことでできた水状の物質です。火を近づけると燃焼するために「燃える水」とも呼ばれています。資源エネルギー庁が行った調査では、日本海側には海底の表面や真下に「表層型」と呼ばれる塊状態の「メタンハイドレート」が存在しているということです。さらに太平洋側には海底下の地層の中に砂と混じりあった「砂層型(すなそうがた)」と呼ばれる「メタンハイドレート」が存在していることも明らかになっています。日本の場合、エネルギー自給率が低く、エネルギー問題は課題となっています。この問題を解決できる可能性が「メタンハイドレート」にあります。また「メタンハイドレート」以外にも日本の排他的経済水域には、「レアアース」などの海底資源が多く存在していることも判明しています。日本近海には「海底熱水鉱」、「コバルト・リッチ・クラスト」、「メタンハイドレート」に含まれる鉱物資源が多く存在しており、300兆円の製品価値があるとされているのです。

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管理人:TMM

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。