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【信/李信】キングダムと史実を照合した結果、政との関係が大解明
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新作が期待されている映画、「キングダム」。振り返ると2019年にシリーズ一作目が公開されましたが、公開されると興行収入は公開された実写邦画作品の中で1位を獲得しました。それから3年後、「キングダム2 遥かなる大地へ」が公開され前作を超える圧倒的な映像体験で数多くの驚きをもたらして再び大ヒットを記録しました。興行収入はやはりその年の邦画実写作品の中で1位を記録して、なんとシリーズ累計では100億円をすぐに突破しました。
そして前作に続いて、今年2023年の夏に新作の「キングダム3 運命の炎」が劇場公開されます。やはり注目は主人公の秦国の飛信隊の体調である「信(しん)」の活躍です。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、キングダムの「信」が史実の「李信」と照合すると、結果的にキングダムと史実でどのように異なっているのかに注目したいと思います。
「信(しん)のプロフィール」
- 名前:李信/信(しん)
- 武力:93+大α
- 知力:76
- 指揮力:88
- 経験値:A
- 夢:下僕の身分から天下の大将軍
「キングダムの信(李信)の概要」
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概要:秦国の将軍で、「信」を隊長とする飛信隊と副長の「羌瘣(きょうかい)」が隊長の2つの部隊を合わせた大部隊を率いている武将。武器は、亡くなった親友の「漂(ひょう)」から受け継いだ剣と、「王騎(おうき)」から託された矛、「ヒョウコウ」から託された大盾。本能型の武将。得意とする戦術は、一騎打ちで幾人もの名だたる武将を討ち取りました。秦国の王「嬴政(えいせい)」の身代わりとなった「漂」が死に際に託した地図に記された場所に向かい、「嬴政」と出会いました。その後、王弟の反乱の鎮圧するため「嬴政」と行動をともにし多くの戦いで、大王「嬴政」の危機を救っていきます。そして、「戦を無くすために、中華を統一する」という「嬴政」の夢を叶えるため、その金剛の剣として戦いを続けていきます。
大将軍の夢を追いかけて戦い続ける「信」に対して大将軍になるための確かな道を示した存在が「王騎(おうき)」でした。その「王騎」に素質を見込まれた「信」は、臨終の際に「王騎」から直々に愛用していた大矛を託されました。その時から「信」は、大矛を使いこなすための特訓を密かに続けていました。そして、趙の鄴攻略以降は、この大矛がメインの武器となります。そして、朱海平原では「王騎」を討った「龐煖(ほうけん)」と三度目の一騎打ちに挑み、勝利しました。この時の勝算は、「信」の最大の武器である、仲間の想いを力に変えて戦うことでした。
「キングダムの信と史実の李信を照合した結果」
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キングダムは、主人公に「信」が大将軍になる夢を追い続け成長する姿が冒頭で描かれています。
では、史実の「李信」とキングダムのが信」を照合すると何が見えてくるのでしょうか。
「信」のモデルとなった「史記」の中に記述されている「李信」は、実は謎の多い武将なのです。「李信」の名前が登場するのは、「史記」の「白起王翦列伝」と「刺客列伝」です。その中で「李信」は、「秦将李信者年少荘勇」と表現されています。これは「秦将軍の李信というもの若々しくて勇ましい」という意味です。このことから「キングダム」の「信」と共通する印象があります。
「白起王翦列伝」には、「李信」の武功がいくつか記述されています。紀元前229年、数十万の軍を率いた「王翦」が趙国と対峙した方に「李信」も出撃しているようです。紀元前226年、「王翦」、「王賁」が燕国に出征します。この二人が燕国の首都を陥落させると、千騎の手勢で「李信」は逃げた燕軍を追撃しています。「李信」の執拗な追撃で「太子丹」を討ち取っています。これは、「李信」にとって大勲章でした。
紀元前225年、秦国の王に「対楚にどれほどの戦力が必要か」と聞かれた「李信」は二十万必要と答えています。「王翦」は六十万と答えています。それで秦国の王は、「李信」に二十万の軍を与えて、楚国の攻略を命じています。
「李信」は軍を二つに分けて、一軍を「李信」自身が率いて、もう一軍の将軍に「蒙恬」を捉えました。この大軍の二将は連戦連勝を重ねていきます。しかしながら、合流地点で楚軍の「項燕(こうえん)」が率いる軍に狙われて大敗しています。この大敗は、大きな代償が伴い秦国の将の七人を失う大失態となりました。これによって任務は取って代わられました。
翌年の224年、六十万の大軍を率いる「王翦」と「蒙武」が楚国を滅ぼしています。しかしながら、意外なことですが、秦国の王は、「李信」を将軍の職から外すことはありませんでした。
紀元前221年に「王賁」と「蒙恬」と共に斉国を攻略させて滅ぼしたという記述が残されているのです。もしかすると「李信」は、それだけ秦国の王の信頼を勝ち得ていたのでしょう。しかし、残念ながら、それを示す証拠は今のところ見つかっていないようです。この斉国の滅亡をもって戦国七雄は消滅しました。こうして秦国に中華統一が成し遂げられることになります。
こうした経緯からキングダムの原作の「信」と史実の「李信」とでは、大きく活躍が異なることが明らかになりました。また、史実では大失態をした「李信」に対して秦王の「嬴政」は大将軍の役職を外すことはなかったことから信頼関係が培われた関係だったことも解明できます。
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