【水素ガスタービン発電】三菱重工開発の23兆円規模の世界初技術

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【水素ガスタービン発電】三菱重工開発の23兆円規模の世界初技術

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世界的なカーボンニュートラルの推進によって、再生可能エネルギーとして様々な分野のエネルギー開発が活発化しています。そのような中、日本の「三菱重工」が「水素ガスタービン」を開発していることが明らかになり話題となっています。「ガスタービン」は発電所で発電コアとなるユニットです。「ガスタービン」は、「ガスタービンエンジン」とも言われている内燃機関の一種です。水素は燃焼時に二酸化炭素を排出させることがなく燃焼反応の結果、排出されるのは水だけという環境に良い開発で次世代エネルギーとして期待されています。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、「三菱重工」が開発している「水素ガスタービン」に注目します。


「ガスタービン発電の仕組み」

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「ガスタービン」は。高温の気体の流れによりタービン(羽根車)を回転させることで、動力や推進力を発生させることのできる熱機関でガスタービン発電では燃焼ガスでタービンを回して発電を行います。


「水素ガスタービン商業化の市場規模」

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「水素ガスタービン」の市場は、「三菱重工」が世界シェアの36%を占めている状態で世界トップクラスとなっています。それで「水素を燃料として利用し発電する」というアイデア実現のために「水素ガスタービン」は必要な期待されているのです。100%の「水素ガスタービン」は各社開発を進めていますが先行開発しているのは「三菱重工」。「三菱重工」は2018年、LNGに30%の水素を混ぜて燃焼させる混焼技術を開発させており、2020年からは100%水素だけで燃焼させる専焼発電の技術開発を本格化させています。2025年に水素30%混焼タービンの商用化とともに100%水素専焼タービン技術も確立する計画で商業化は2030年という目標を掲げています。国などの試算によると世界の水素タービンは拡大していくことが予想されており、市場は2050年には最大約23兆円、最大約3億㎾(累積発電容量)の巨大な市場になると見込まれています。カーボンニュートラルを実現させるために発電業界でも二酸化炭素を排出に取り組む必要性が高まっています。現在は、ガスタービン発電では燃料として灯油、軽油、LNGが使用されています。こうした燃料は、化石燃料であり燃焼させれば二酸化炭素が発生してしまいます。それゆえに「水素ガスタービン」の開発は期待されているのです。「水素ガスタービン」は太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーによる発電と比較して安定的に発電できるというメリットがあります。電力は性質上、基本的には貯蓄することができません。そのために要求量に対してそれ以上に発電することで、電気を供給することができるのです。これは発電量を調節できる、計画的に発電できるということでもあるのです。こうした経緯から「三菱重工」は2030年度までに3000億円を稼ぐ予定とも言われているようです。


「水素ガスタービン開発における世界の三菱重工」

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「三菱重工」は1960年代にアメリカの「ウェスチングハウス・エレクトリック」からガスタービンの製造方法を学び、約60年にわたってノウハウを蓄積してきた経緯を持っています。現在では、「三菱重工」はアメリカの「ゼネラル・エレクトリック」、ドイツの「シーメンス」とともに世界トップ3の中の一社となっています。「三菱重工」のガスタービンは日本のみならず、アジア、南北アメリカをはじめ1,500を超える発電設備に使われています。また、「三菱重工」独自の低NOx(窒素酸化物)技術も持っており、ガスタービンに要求されている高い発電効率と耐久性に優れる商品を製造し信頼を獲得してきました。「三菱重工」の大型ガスタービン技術部の主幹技師の「谷村聡」氏は「電力は産業の要。需要があれば供給するのが電力会社であり電気を作るために必要となるのが発電設備です。電力は欲しい、しかしCO²の二酸化炭素は出したくない。ならばCO²ゼロの火力発電に挑戦するのが技術者の使命」とコメントしています。「水素ガスタービン」についても独自の戦略を掲げています。ガスタービンの構造としてまず燃焼に必要な空気を圧縮する「圧縮機」があり、その圧縮空気と燃料を燃焼させる「燃焼器」が続くという構造です。「三菱重工」は従来のガスタービンの「燃焼器」部分を水素対応の燃焼器に取り換えることで発電タービンを水素燃料に対応させることができるとしたのです。燃焼器は一定期間で取り換えることを前提として部品であり、交換は通常のメンテナンスの範囲で可能でガスタービンを安価に「水素ガスタービン」に取り換えることができるのです。また水素を扱うので、水素タンクなどの付帯設備は必要ですが本体を取り換えることなく、水素をエネルギーとして導入することができることは大きなメリットがあります。国の水素基本戦力では2030年頃に水素発電の商用化を目標としていますが、発電所のリニューアルを実施できる事業者がどれほど存在しているのかという部分の負担が懸念されているようです。結果として水素への置き換えが遅れてしまっては技術開発が進んでいても世界からの遅れをとる可能性があります。「谷村聡」氏は「リニューアルの予定があることから水素発電設備を入れたとしても10年では水素発電への転換は進まない。そこで我々は既存のガスタービン設備を使って水素発電ができるシステムを考えたのです」とコメントしています。


「高砂水素パーク(水素発電実証設備)とは」

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「三菱重工業」は水素を燃料とする「水素ガスタービン」の早期商用化に向けて水素製造から発電までにわたる技術を世界で初めて一貫して検証できる「高砂水素パーク」を整備するということです。すでにガス火力の燃料であるLNGに水素を30%混ぜ使用することができるガスタービン用燃焼器の開発に成功しています。水素100%のガスタービンの開発を進めるとともに「高砂水素パーク」ではガスタービン発電として使用した際に発電所プラントとしての多角的な分析を行います。水素を軸にさまざまな産業を結びつけることで持続可能な社会を形成するための「水素エコシステム」の確立も目指しており、「高砂水素パーク」は研究開発の現場として活用します。


「世界から注目される日本企業の水素ガスタービン」

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「水素ガスタービン」に日本以上に関心を示しているのがヨーロッパ各国です。例えば、オランダは水車の国として有名ですが国土の25%以上が海抜ゼロであり、地球温暖化によって海面が上昇してしまうことに対する危機感は非常に強いのです。それゆえに脱炭素への関心は高く温室効果ガス排出削減に向けて「水素ガスタービン」は大きなメリットのある選択肢と言えるのです。オランダだけでなくヨーロッパ各国が脱炭素社会の構築へ向けて加速しています。日本企業としては「三菱重工」だけでなく「IHI」や「川崎重工業」も参入しています。

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  1. 2022 03.07

    Hello world!

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管理人:TMM

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。