【住友重機・NEDO:バイオマス発電】排水処理技術で下水で発電

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【住友重機・NEDO:バイオマス発電】排水処理技術で下水で発電

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非常に深刻化している世界的なエネルギー不足。カーボンニュートラルが推進される中、持続可能エネルギーの開発が急務となっていますが、その中でも電力不足は深刻化しています。しかし、日本が世界初の技術を開発し話題となっています。それが「下水発電」という技術です。日本の「住友重機」が開発しており、バイオガス回収後の廃棄物から電力を作り出すというものです。世界的に注目されています。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、「住友重機」が開発した「バイオガス処理排水発電」、「NEDO」の「バイオマス発電」に注目します。


「住友重機・バイオガス発電」

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「住友重機」が開発しているバイオガス回収後の廃棄物から電力を作り出す技術は、バイオガスの成分であるメタンガスや水素を燃料とし利用した技術。これまでは、廃棄物を処理する際に温室効果ガスを大量に排出して問題となっていました。それを燃料として発電に利用して電力を作り出すというものです。温室効果ガスを削減するだけでなく電力も生み出すという画期的な技術は世界的な注目を集めています。また、この技術は浄化能力と発電能力が分けられていることも高い評価を受けています。

浄化能力と発電能力が分けられていることも高い評価を受けている、この技術は発電能力を向上させるために浄化装置を増大させる必要がありません。現在のところ「微生物燃料電池」というものが次世代エネルギーとして世界から注目されていますが、「微生物燃料電池」は容量を大きくしようとすれば設備も拡大する必要があります。ちなみに「微生物燃料電池」の技術は日本の「栗田工業」が世界最高レベルの電池を作っているということです。そして、それに比べて、「住友重機」が開発している技術は設備が小さな規模でも大容量の発電ができるということです。その性能は、1㎥の排水から毎時0.3㎾hの電気を取り出すことができるのです。この「微生物燃料電池」を24時間稼働させると7㎾hの発電となります。これは、一般家庭の一日の平均電気使用量が8.6㎾hということなので、一般家庭の一日分の発電量となるということです。その下水発電の高い技術については国土交通省も高く評価しているということです。


「世界の下水発電の技術開発」

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下水発電の価値については、日本が高い評価を受けているようですが、世界中で開発が活発化しているようです。例えば、中国の開発技術について見てみると中国の江蘇省宜興市では大規模な浄水場が開発されているようです。バイオガスや処理時に排出される排熱を利用するというもので、都市部と農村部と融合して「相理共生」をコンセプトとして開発しているようです。また中国の汚泥の無害化処理率は10%以下ということで環境への負荷が大きいために日本の排水処理技術に注目しているようです。

また、ドイツはバイオガスの分野でEU圏で最も開発が進んでおり日本は大きく後れを取っているということです。

ロシアも日本の汚泥処理技術に注目しているようです。日本の下水管の管路更生工法(SPR工法と呼ばれており、クラックや劣化した排水管を通水状態でも改修できる工法)をロシア国内に導入し計測機器や実証テストが導入されているということです。この管路更生工法は、日本の「積水化学グループ」、「東京都下水道サービス」、「足立建設工業」の3社が共同開発した技術です。ロシアは、埋め立て地の使用率が99%を超えており、汚泥の再利用が急務となっているゆえに日本の汚泥処理技術に注目しているようです。日本の汚泥を炭化燃料化する技術園芸土や道路路盤材として再利用する技術を導入予定ということです。


「NEDO:日本国内でのバイオマス発電・排水処理技術の普及」

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最近では日本国内においてバイオマス発電・排水処理技術が注目を集めています。というのも日本のエネルギー問題について考慮すると、日本のGDP当たりの一次エネルギー総供給量を「1」とすると、中国が「7.8」、ロシア「16.7」、アメリカ「2.0」、EUの27カ国「1.8」ということで日本は後れを取っている状態なのです。それゆえに問題解決となるバイオマス発電が注目されているのです。「NEDO」が計画している国内最大級の「バイオマス発電所」は、燃料を飲食店の廃棄する油脂から採っているのです。日本の法律では飲食店や商業施設、食品工場では基準以下の濃度で排水することが定められています。そのために汚水や油水を直接河川へ流さないようにグリーストラップを設置する義務があるのです。今回の技術は、そこで集積された廃棄油は従来は捨てられていましたが、燃料を取り出すことに成功したというのです。廃棄物の削減に加えてエネルギーを生み出すことにもなるということです。また、緊急時には発電機としても使用することが可能となっています。200戸ほどの一般家庭の電力を賄うことができる性能を備えています。

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管理人:TMM

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。