【東芝・小型高速炉4S/超臨界CO²サイクル発電】再エネ利用発電

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【東芝・小型高速炉4S/超臨界CO²サイクル発電】再エネ利用発電

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「東芝」が開発している「4S小型高速炉」は原子炉で運転員が不要で無人運用。CO²回収技術を使った最先端の火力発電の燃焼試験に成功と発表。この原子炉は、原子炉の中で燃料のウランが核分裂するときに出る熱で水を沸かして蒸気を作り、その蒸気の力を利用してタービンを回転させ、連結している発電機で電気を発生させるシステムとなっている。また「超臨界CO²サイクル発電」についても発表。さらに「ビル・ゲイツ」が注目している「日立製作所」も「沸騰水型モジュール炉SMR」を発表。脱炭素カーボンニュートラルが注目され、再生可能エネルギー、エネルギー資源の開発が急務とされている世界のエネルギー情勢において、とても重要な情報と言えるでしょう。そこで今回の「TimeMachineMuseum」では、「東芝・4S小型高速炉」、「東芝・超臨界CO²サイクル発電」と「日立製作所・沸騰水型モジュール炉SMR」に注目です。


「主流原子炉の種類」

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現在のところ世界をはじめ、日本国内でも最も利用されている原子炉のタイプは、軽水炉と呼ばれている原子炉です。この軽水炉は減速材に軽水(普通の水)を使用しており、この軽水が冷却材の役割も兼ねている。原子炉は「減速材」と「冷却材」によって分けることができる。

「減速材」:核分裂の過程でウランやプルトニウムから発生する中性子の速度を遅くするためのもの。

「冷却材」:核分裂の過程で発生する熱エネルギーを原子炉の外に取り出す役割をするもの。

また軽水炉には蒸気を発生させるシステムによって、「沸騰水型炉(BWR)」と「加圧水型炉(PWR)」に分けられている。

「沸騰水型炉(BWR)」:圧力容器内で熱せられた冷却水が蒸気となって、そのままタービンに送り込まれて発電機を回転させるシステム。このシステムは簡潔ではあるものの、蒸気に放射性物質を含んでいるためにタービンや復水器についても放射線の管理を必要とします。

「加圧水型炉(PWR)」:圧力容器内の圧力を高くし冷却水を沸騰させずに高温状態にし、高温高圧となった水を熱源とし蒸気発生器で蒸気を作る。このシステムによって放射性物質を含む水を使用せずに済んでいるゆえに安全。

「高速炉」:この原子炉は次世代型の原子炉とされている。高速炉は燃料にプルトニウムを使用し中性子を減速させずに高速の中性子で燃料を核分裂させて発電することを可能としています。


「東芝・4S小型高速炉とは」

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「東芝」が開発している小型高速炉が「4S]と呼ばれている高速炉。このタイプは小型ナトリウム冷却高速炉の一種とされています。冷却材に液体金属のナトリウムを使用する減速材のない高速炉。そして、この「東芝・4S小型高速炉」の特徴として下記のようなポイントがあります。

「燃料交換不要」:メンテナンスフリーで動く設計となっている。最初に稼働予定分の燃料棒を挿入し、途中で交換する必要はない。そのために漏洩リスクの危険リスクを少なくしています。

「制御棒不要」:「東芝・4S小型高速炉」では、制御棒を使用しない。従来の原子炉では、放出された中性子を回収するために制御棒を出し入れすることで調整していました。つまり、この制御棒はブレーキの役割を果たしている。しかし、この「東芝・4S小型高速炉」の場合は、燃料棒から出る中性子を反射させることによって核分裂反応を活性化させる反射体を上下にスライドさせ、原子炉内の温度を調整する設計となっています。このことによって非常事態になった場合は、重力で燃料棒が落下して停止するため安全とされています。

「自然対流」:自然対流によって冷却を可能としている点です。動力を必要としない「RVACS」を採用。この自然対流によって原子炉を冷却するゆえに全電源喪失事故の心配はありません。

「東芝・4S小型高速炉のサイズ」:原子炉の直径は1m。1万KWタイプで高さが1.5m。小型になった故に表面積を以前より大きくすることができ従来型の原子炉よりも熱を外に逃がすことができるようになっています。


「東芝・4S小型高速炉の実用性」

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実のところアメリカにおいては、建設が進められています。原子力ベンチャー企業の「テラパワー」社(ビル・ゲイツ氏が出資)がナトリウムを使用した小型高速炉の一つ「進行波炉(TWR)」の建設を発表してます。


「東芝・超臨界CO²サイクル発電とは」

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「東芝」は、発電についての関連で「超臨界CO²サイクル発電」というものの燃焼試験にも成功したことを発表しています。この「超臨界CO²サイクル発電」とは、回収のためのエネルギーを使用せずに100%に近いCO²を回収できる最先端の火力発電システムのこと。この開発には「東芝エネルギーシステムズ」社がアメリカの「NET POWER」社など5社と共同開発しています。この共同開発では「東芝」は燃焼器とタービンの開発担当となっています。この「超臨界CO²サイクル発電」のシステムは、天然ガスをO2によって燃焼させて発生した高温ガスでタービンを回転させて発電。そして、タービンから排出された燃焼ガスは熱交換機によって冷却器でCO²と水に分解。CO²は、ポンプで高圧の状態で回収して燃焼器に送り、再度、ガスやO2と共に燃焼させ、発電に利用するのです。このシステムはサイクル発電という名称通り高温高圧のCO²を循環させてタービンを回転させて発電させるのです。また「超臨界」と呼ばれているのは、高温高圧になると気体と液体の境界がなくなり中間的な性質を示すようになる。そして気体のような「拡散性」と液体のような「溶解性」を持つようになる。この状態を「超臨界」と呼んでいるのです。さらに燃料のガスと一緒に燃焼させたり、溶解性を活かして他の物質に吸着して回収することも可能なのです。燃料のガスと一緒に燃焼させることによって圧縮する力を大幅に削減することも可能となっています。これによって従来型ガスタービンと比較して発電効率が飛躍的に向上しています。加えて燃焼した際のCO²をほぼ100%回収可能となっています。また回収した純粋な高濃度のO2は地中に埋めたり、原油を効率的に回収する技術「原油増進回収法(EOR)」に使用されています。CO²を資源として再利用することで大気中へのCO²排出を抑制する仕組みを「カーボンリサイクル」と呼び、2030年頃にはCO²を再利用した製品が普及する可能性があるとされています。例えば、アルコール、CO²、フェノールを原料として製造された「ポリカーボネート」を「旭化成」が世界初の開発に成功し製品化しています。


「日立製作所・沸騰水型モジュール炉SMR」

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「日立製作所」とアメリカの「ゼネラル・エレクトリック」の合併会社「GE日立ニュークリア・エナジー」が2021年12月にカナダの電力会社から次世代原子炉「小型モジュール炉(SMR)」を受注したことを発表しています。出力が30万KWの「沸騰水型モジュール炉SMR」。原子炉本体は地表よりも低い位置に設置しており、非常用復水路と必要な水を蓄えたプールを原子炉直上の位置に備え付けている。このことによって全電源喪失事故が発生したとしても安全に冷却できるとされています。たとえ水が蒸発してなくなっても地表よりも低い位置に設置されているために通常の給水車などで対処が可能となっています。加えて、1週間は人間が介入することなく安全に冷却可能となっています。また低出力ゆえに冷却も容易。この「小型モジュール炉(SMR)」は、2028年に稼働予定となっています。設置場所は、カナダの首都オタワに最大で4基が設置される予定です。1基の建設コストは800億円ということです。しかし、デメリットとして「沸騰水型モジュール炉SMR」は、放射性物質を含む水蒸気が原子炉タービン側にも流れ込んでいるためにタービン建屋の解体は難しく廃炉が問題となっています。

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  1. 2022 03.07

    Hello world!

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管理人:TMM

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未来に残したい、繋げたいをテーマに日々を過ごすことに夢中。そのテーマに自然界、歴史、科学、教育など、あらゆる方面から未来と過去を行き来出来たら、現在どうなっているか、これから先どうなるのか気になることが多く、今更ながら様々な分野を勉強中。